サステナブルなものづくり

先日、コンセプトストアabout her.の展示会が開催されました。

様々なジャンルのクリエイターや企業とコラボレートしたプロジェクトが発表されていましたので、今回はその展示会の模様についてご紹介したいと思います。

about her.とは

画像引用元 https://www.about-her.jp/

大阪府箕面市にあるコンセプトストア。

北欧のインテリアと雑貨、ファッション、観葉植物などのグッズから、健康と美容を意識したカフェ&レストラン、クリエイターの作品展を行うアートスペースなども併設された、ライフスタイルを豊かにするための複合施設。

about her. URL https://www.about-her.jp/

グリーンに囲まれた展示会場

about herの店内同様に、植物に囲まれた明るく居心地の良い展示会場でした。

会場内の床やサインパネルの素材は、環境に優しいパーティクルボード。
緑に囲まれた展示会場では、クリエイターから直接お話を伺うことが出来ました。

その中でも特に気になったプロジェクトをいくつか取り上げていきます。

KUROZOME REWEAR FROM KYOTO

少しの汚れや色落ちで捨てられてしまう…そんな服を黒く染め直し、また新たに生まれ変わらせる、それが”KUROZOME REWEAR FROM KYOTO”です。

このKUROZOME REWEARを行っている株式会社京都紋付は、日本の正装である黒紋付の黒染めを100年以上もの間行ってきた伝統のある会社です。

長年培った黒染めの技術を着物だけでなく、廃棄されてしまう洋服にも生かしたとてもサステナブルな取り組みだと感じました。

実際に会場で黒染め後の洋服を見せて頂きましたが、元の生地や糸の素材により色の出方が変わり、深みのある質感になっていました。

右が元の服、左が黒染め後。全く別のデザインのように生まれ変わります。

about her.では、KUROZOME REWEARに対応した商品を販売しており、購入後に簡単に黒染めサービスに申し込めるようになっています。

商品をただつくるだけではなく、その後のことまで考えられていて、私たち消費者もそのような商品を選びたくなる面白い仕組みだと感じました。

QRコードから簡単に黒染め依頼ができ、また購入前に黒染め後の画像も確認することができます。

KUROZOME REWEAR FROM KYOTO : k-rewear.jp

ecoinnno

ecoinnnoは、100%植物繊維原料のGCMという素材を開発し、使い捨てプラスチックに代わる食器や容器、包装を製造している企業です。

GCMで作られた食品容器。見た目や軽さはほとんど紙製品と同じです。

最近ではプラスチックフリーの働きが進み、紙製の食品容器を多く見かけるようになりました。

しかし実際には、紙コップや紙皿などは耐水のためラミネート加工がしてあり完全なプラスチックフリーとは言えません。

ですがGCMは生分解可能、つまり海や土にそのまま還すことができるとても環境に優しい素材です。

GCMのトレイを土にそのまま埋めると、約75日後には完全に分解されます。

さらに驚いたのは、GCMは-196℃から耐熱200℃を超える性能を持つ素材なので、直火やオーブンにも対応するということ。

キャンプはもちろん、災害時にも非常に役立つ製品です。

GCMの容器は直火で使うことが出来ます。

about her.の観葉植物ショップGreenでは、コーヒーカップにecoinnoのカップを使い、飲み終わったものを植物堆肥として植物を育てるSDGs循環を行なっているそうです。

容器としてだけではなく、いろいろなプロダクトに応用できる可能性を持った新しい素材を知ることができました。

ecoinno JAPAN 株式会社 https://www.ecoinno.co.jp/

おわりに

ご紹介した他にも様々なクリエイターや企業とコラボレーションし、サステナブルな社会の実現に向けてのプロジェクトが発表されていて、とても刺激を受けた展示会でした。

環境や社会のことを考えるのはもちろんですが、つくる側もつかう側も楽しめるようなものづくりが大切なのではないかと感じました。